★デザイナーは、研究者や科学者の目をもて。

近年、デザインやデザイナーの領域がますます拡大している。
それは、世の中がデザインの大切さを深く認識し始めたことで大歓迎だ。


最近のとあるアートディレクターは、デザインすることは企業のドクター役になることとも言っている。自我を出さず、クライアントの言葉に耳を傾け診断し、悪いところを直し、改革すると。
デザイナーの仕事が、企業の製品やイメージの制作や販売と、見かけを取り繕うことから、企業の中身までデザインしようという傾向だ。
ある意味、新しいデザイン/アートディレクションのあり方とも捉えられる。
しかし、企業や製品の本質をとらえると言う点では、これは意味のあることではあるが、経営の専門家でないものがここまでしゃしゃり出ていいものか。それは本業のクリエイターとしての本質をおろそかにすると、ボクは危惧する。

既に最近のデザインの傾向はできるだけシンプルにという方域に向かい、
自我は封じ込められ、過度な装飾や、角の立つ個性は排除されて、
誰にでも理解出来、使用できる、いわゆるユニーバーサルデザインが王道となってしまっている。

一見、世の中がそれを求めているように見えるが、果たしてそうなのだろうか?デザイナーの質の低下やデジタル化による制作環境の影響でないと言い切れるだろうか?

本来のクリエイティブと言うものは、既存の概念を壊し、新しい概念を構築するものと捉えている。ドクターのように、目の前の治療や予防の手助けをするということではなく、むしろ研究者や科学者のように、世のため人の為になるような開発に目を向けるべきだと思う。

死ぬほどサムネイル描いてますか?
人に伝わるラフスケッチ、ちゃんと描けますか?
ネットで素材を手にいれて、パソコンで加工するだけで満足していませんか?
中身を補うため、見栄えのするプレゼン資料の形作りにこだわってませんか?
クライアントが、良い製品を作り、ブランドイメージを上げ、利益を上げることに力を貸すことだけが、デザイナーの存在価値だと思ってませんか?

瞬間的には自己満足し、傍から見たらそれらしく仕事をしているように見えるかもしれないが、それをデザイナーの仕事とボクは言いたくない。

もっと無駄や遊びがあってもいい、楽しきゃ良いじゃんと言う部分もあっていい。ちゃんとさえしてればね。

研究者や科学者のように、もっともっと自分自身と向きあい悩み、
手を動かし、楽しんで自己発信して欲しいゾ。
流行なんか軽く飛び越えちゃえ!

で、 ボクはこの文章に「ムッ!」とくる人ともお仕事したいです。

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