★ヒーローなきイラストレーション業界に生きること。

イラストレーションという職種が世間に認知されてから半世紀近くになるだろうか。その時代時代には、必ずイラストレーターとしてのヒーローがいた。

アナログ時代の作品

ふと口を付くだけで、
伊坂勘太郎・柳原良平・和田誠・山藤章二・横尾忠則・長岡秀星・空山基
山口はるみ・ペーター佐藤・永井博・鈴木英人・佐々木悟郎・・・・・
あまりに長くなるのでやめておこう。

みんな一世を風靡した。
イラストレーターのみならず、グラフィック業界人の憧れだった。
業界人でなくとも、名前はともかくそのイラストは知っていた。

時を経て、今はヒーロー不在の時代。

デジタルスキルへの移行で、ビジュアルイメージの表現スタイルは多様化した。
アナログ絵の具のスキルは、もはやイラストレーターの必須科目でなくなり、
それを大上段に構えて披露する人も、披露出来る場面も減っている。
その結果、
アナログ絵の具スキルへの憧れでイラストレーターを目指す人も減少。

デジタルの特性上、スキルで差別化を付けることは容易ではない。
半端なスキルならば「へ〜っ、そうなのね。」 で終わり。
2位以下を圧倒的に引き離すスキルであれば、注目は集められるかもしれない。
しかしそれとて、イラストレーションとしての存在価値とは別物。
結局、人を感動させ引きつけるファクターは世界観が一番なのだ。

別に、イラストレーション業界に限った話ではないだろう。
デジタルは、すべての人を公正に平均化する技術。

人に響く世界観と時間をどう演出するか。
今の課題です。

0 件のコメント :