☆写真の多弁さに注意。

仕事での、基本的だがとても大事なミスの話です。

とある企業の広報誌表紙シリーズの春号を描いていました。

「菜の花畑をメインモチーフで、遠目に鉄道車両」というシチュエーションです。



与えられた資料だけでは少ないので、
いつものように、ネットで資料画像を沢山リサーチ。
結果、なかなかに満足のできる絵になって納品です。


しかし、
クライアントさんに「鉄道らしく見えない!バスにみえる!」と修正の注文が。


その鉄道は、今回の広報誌内容記事のポイントになるモチーフなのです。


「どうして、バスに見えるのだろう?」
と、よくよく資料を見なおしてみました。


おおっ!!!!! ひょっとして!

と気が付き、再度ネットにてリサーチ。
今度は画像でなく詳しい鉄道のシステムのことを。


その鉄道は「いすみ鉄道」といいます。



鉄道は、絵の中に遠目で小さく入れるため、

写真の資料を数点見ただけで、まったく気がついていなかったのですが、

いすみ鉄道の車両は、ディーゼルエンジンで自走する「気動車」で、

パンタグラフがありません。当然、線路には電柱もないのです。



そのことに気が付かず、写真を鵜呑みにして、

そのまま(多少デフォルメして)描いていましたから、

遠目には、バスのようで電車らしくないはずです。


そこまで判明したので、
納得して、車両を鉄道らしく見えるように修正。



写真は当然のことながら、圧倒的に情報量が多いもので、とても多弁です。
それを、情報量を削って敢えてイラストレーションにするわけですから、
デフォルメなどするにあたり、削ってはいけないモノがあります。
逆に写真にはなくとも、補足的に加えなくてはいけない情報がある場合もあります。


資料は、写真を見るだけでなく、ちゃんとリサーチしなくてはいけないという、
基本的で典型的なミスの例でした。(^_^;)


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