しかし、唯一僕のかなで色褪せたポスターになっても許せる作家がいる。ちょっとした、英国風居酒屋やアメリカンバーっぽい雰囲気のする店を訪れると、かなりの確率で彼の作品にお目にかかれる。もともと渋い色合いの絵なので、色褪せたり黄ばんだりしていても、彼の絵の場合、意外に気にならない。
彼の名は、ノーマン・ロックウェル。
アメリカの国民的現代画家で、かつてTime紙などの表紙を飾り、イラストレーターという職業の礎を築いた人と言って良い。
モデルを使わずに写真を見て描く画家もいるんだ!と僕を驚かした人物で、人物の動き・表情・デフォルメ・色・タッチや、雑誌の表紙としての画面構成・メディア媒体にイラストとして必要なエッセンスなど、多くを彼の絵から学んだ。
テレビドラマの中とは違う、古き良きアメリカを僕ら教えてくれた人。未だに彼の描写力には遠く及ばないけれど、5本の指に入るリスペクト作家である。
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