★ 形無しと型破り

スーパー歌舞伎の市川猿之助さんが、
いろいろなインタビューの折に仰っている話があります。
”血のにじむような練習で、しっかりとした基本を身に付けた上で、
その基本を自分なりに崩す事を、「型破り」と言います。
基本も何もない奴、努力も何もしていない奴が、
好き勝手に自分のやり方を通す事、・・・それは単なる「形無し」です。 ”


元々の語源通りではないだろうが、ウンウンとうなずいてしまう言葉。
梨園の世界を通して訳したウンチクですね。

もちろん、基本これはどの世界にも通用することですが、
ここで押さえておきたいことは、
鑑賞する側に「型」を見る目があるかどうかということ。

ここ十数年の、グラフィックデザイン・イラストレーションシーンでは、
一見「型破り」のような「形無し」タイプが多い。
一瞬の見た目はいいんだけど、すぐに見飽きちゃう。
本人も同じレベルで作品を継続して生み出すことが出来ない。
感性をメインにする作品にはこの傾向が強い。

形無しでも仕事として成立させてしまう、
見る目のない周囲の環境が原因だ。

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