アナログの経験もほぼ同じ年数なので、
デジタル制作のほうが人生のメイン経歴になりつつあります。
15年前、始めてMacを導入して、
Painterとタブレットペンに出会った時に閃きました。
「ああっ、これでイラストレーションの世界は一変するぞ!10年もすれば、イラストレーターと言えば、デジタル制作が当たり前。アナログの人は希少存在になるな。」
今、現実になっています。
そして、こんな不安もありました。
「デジタル制作なんか始めたら、もうアナログに戻れないかもしれない。そして、仮に戻っても、アナログ画材を使うスキルが無くなっているかもしれない・・・・。」
今、アナログ画材は画材専用チェストに眠ったまま。
引っ張りだそうという気持ちに未だになっていません。
15年デジタル制作をして気がついたことは、
少年の頃あれほど憧れていた「絵の具を使って描く」という行為を、
実はそれほど好きでは無かったこと。
今は画材への拘りがなくなり、
平面なり立体なり、どんな方法でも、
人に伝わる表現でアウトプット出来ればいい。
そんな心境。
水彩・油・岩絵の具・アクリル・パステル・・・。
アナログ絵の具には、その絵の具の持ち味があります。
その持ち味を、手足の様な武器にして表現するのがイラストレーターであり、
深く極めていくのが画家とも言えます。
味方を変えれば、画材に縛られた存在でもあるのです。
その束縛から逃れられ、絵の具の力に頼らず、
純粋に何を表現したいか・すべきかということにシフト出来、
さらに今、絵を描くだけが自分の表現じゃないと思えているのは、
デジタル表現を取り入れたおかげだと思っています。
とかくデジタル思考は、負の副産物のように思われがちですが、
こんな効能もあるわけです。
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