ある本とは、
南雲治嘉著「色の新しい捉え方」光文社新書刊
著者の南雲氏は、グラフィックデザイナーであり、
日本における色研究の第一人者。
自らの物理的・化学的・生態学的研究から、
色彩学のもととなっている「色相環」や、
日本の色彩検定システムは「現場で使えない」と唱えている。
色は脳に刺激を与え、さまざまなホルモン物質を分泌させる。
それぞれのホルモンが色への「知覚」に結びつくという。
赤はアドレナリン、青はセロトニン、緑はアセチルコリン・・・。
このあたりの理論には、思わず引き込まれる。
読書中、思わず「なるほどね」とつぶやくこと数回。
自分も色に関しては経験もありセンスがあると勝手に信じているのだが、
そのセンスにはなんの根拠もなく、ただの好みであることを痛感。
これからの時代、 こういった理論を知識として身につけ武装することは、
わからず屋のクライアントをねじ伏せるには、いいかも知れない。
でもね、自分が長年積み上げてきた「好みの色」は大事にしたい。
それはまさに自分の歴史であり、その時折の気持ちの現われでもある。
科学的根拠の色計画は、
大上段に構えて仕事をするときにとっておくことにする。
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