イラストレーションを描くときには、本番の作品の他に必ずスケッチなり下絵が存在します。
あっ、中には、いきなり本番の方も見えるでしょうから、必ずとは言えませんか。
取り敢えず僕は、(サムネイル→)ラフスケッチ→下絵→本番という流れ。
サムネイルやラフスケッチには、デッサンの指癖が存在します。
意識したものと無意識のものがありますが、
こういった指癖を総称して、スケッチの「揺らぎ」と勝手に僕は呼んでいます。
こうした揺らぎは、やがて「絵の味」の一つになっていきます。
絵を描く人に多く見られる傾向は、全体が右に傾く揺らぎ。
これは、右利きだから故の癖でしょうが、
デッサンを素早く行うと顕著になるような気がします。
下の例は、友人のイラストレーター:山本重也さんの絵です。
イラストレーションの世界では、スケッチ時における揺らぎは、
本番では意識的に修正される場合が多いような気がしますが、
中にはこの揺らぎを強調して自分の作風としている方も少なくありません。
他にも、わかり易い例で、原田泰治さんがそうです。
デジタル時代になり、illustratorなどのドロー系グラフィックアプリでは、
ペンタブレットを使っても、揺らぎを再現することが難しく、カッチリとなってしまいます。
結果、同じスタイルであると、皆同じような絵に見えててしまいがちですね。
揺らぎや味を大切に思うイラストレーター達は、デジタルを使わないのかも知れませんが。
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